1~10 より
11 「彼らの“電車”。」 R_76 さん 【普通】 やられた。完敗です。読み終えて、ニヤリと笑うと共に、鳥肌が立った。評者にはまったく予測の出来ないエンデイングであるばかりか、お題と照らし合わせても整合性が完璧である。 あまりに完成度が高いので「辛口」的に欠点を挙げると、タイトルに工夫が欲しかったという一点であろう。 お見事。本作を読んだだけでも、評者の今回のお役目も報われるくらいの価値がある。 12 ストップ (・(x)・) さん 【普通】で…(´・(x)・`) 普通で、と言いつつ、困ってるよーだ。これは【普通】では褒めるところしかない。文章、構成、エンディング、といい完成された形だ。 【辛口】的に書くと、
では、唐突に独白が始まった印象を受けるので、例えば、
と、オーソドックスに書いたほうが良かったかもしれない。 あと【超辛口】的に書くと・・・・・・などと続けてしまいたくなるくらい、完成度が高い。脱帽 ! 13 あるサラリーマンの不運な日常 marubegs8 さん 【普通】 この作品はトラボケにおいて極めて異色の作品だ。文章、プロット、そしてエンディング、と周到に練られた作品はあった。 また、その対極となるような、ナンセンスな作品もあった。 作者の饒舌が中心の作品もあった。 しかし、その全てを備えている作品は、本作が始めてではなかろーか。 饒舌スタイルは難しい。読者との感性が合わなければ拒否される恐れがあるからだ。しかし本作は、主人公のヨウイチくんを軽快に、テンポよく描き、それに成功している。トラボケ作者なら、ヨウイチくんが、その間移動し続けていることに注目すべきだろう。ストーリィが進行しているからこそ、作者の饒舌がくどくならないのだ。 14 空ろな 日々 absinth さん 辛口で お願いします。マゾabsinth ですので。 では、ビシバシと。本作は、意欲作、問題作、という次元を通り越して、ひとつの「事件」である。 とらぼけ内、excite ブログ内、というよりブログ内、またはネット内の事件であるかも知れない。 それほどまでにこの作品はスゴイ。 まず、運転手と車掌が空しくなる。はじめから意表を付く展開だ。 次にふたりの不快感の矛先は、乗客である不特定多数の会社員に向けられる。 ここで評者は、失礼にも、ここでテーマが確定した、と早合点してしまった。ありがちなサラリーマン批判である。もしくは、それをサイドストーリィに、別の展開を用意する。 しかし、ふたりの会話に「乗客」が割り込むことにより、評者の読みは爽快に裏切られる。 青いフォント(活字)の乗客の科白は、作品の為に喋らされているのではなく、作者の思考が反映されていることに注目されたい。普段から「思考」を心がけているだろう作者の説得力がある。 登場人物が次つぎと増える。会話も短くなり、スピード感も増える。テクニック的には、わたしごときが何かを言える範疇ではない。気持ちよく乗せられエンデイングへと運ばれていくまでだ。 子供、老人の意見を取り入れたことにより意外な結末を迎えるが、作者はそこで浮き足立つことはなく、平然と描いている。作者の普段からの思考をもってすれば、当然のことなのだ。 そして、ここで終わると思いきや ・・・・・・ エピローグへ。 この一押しもすごい。 ネットを離れて活字でプロの文芸作品を読むとき、アマチュアが到底及ばないなと思わせるのが、「これでもか、これでもか」 感である。読者を納得させるだけでは終わらせないのだ。もうひと押し、もうふた押ししてくる。 これはいくら高度なテクニックを持ったアマチュアでもなかなか真似出来ない点だ。そこがアマチュアたるゆえんなのだろう。 しかし本作は、エピローグも含め、読者が既に納得している時点からも、次つぎとパンチを出してくる。しかも、効果を挙げるべくテンポを速めて ・・・・・・。 作者の思想、文体、プロット、フォントの色で登場人物を分け煩雑な読者との了解の手間を省くというネットならではの手法、以上が相まって、とんでもない作品になったという、これはトラぼけの金字塔、というより、ブログ全体の金字塔なのかも知れない。 * さて、この評は辛口であるので、それらしきことを言わねばならない。なんせ作者はそれで喜ぶマゾヒストであるらしーのでな。 absinth よ ! よいか、こころして聴け ! plum と burlywood はちょこっと読みにくかったっス。 15 〆 はい こちらサポセン署。 mitsuken さん 【辛口】 いきなりの警部の登場で、「あっ、こういう視点もあったのか」 と、事件として捉えるという発想に軽い衝撃を覚える。しかし、この作品は、電車が止まる、という事件より、警部とその部下のふたりによる冗句を交えた会話、すなわち掛け合い漫才がメインである。しかも、ストーリィから逸脱した冗句が多いので、この作品の出来の良し悪しは、そのひとつひとつのネタ自身に掛かってくる。 これは相当難関である。プロのライターが書く漫才でも面白くないものが多い。それほど笑いは難しいし、またその笑いはおのずと読者の好みに左右されるものなのでうまく行っても笑いを誘うという保証はない。 そこへ果敢に挑んだmitsuken さんに拍手を送る。 16 ヘッドライト・テールライト radio6969 さん 【普通】 タイトルがすばらしい。リズムも聴感も文句なし。これはこれまでのトラボケにないスタイルである。これからのトラボケの可能性を暗示する作品かも知れない。 文章、構成、スペース(行間)の入れ方、全て完成されている。 全体が静粛な雰囲気で包まれているのは、この練り上げられた文体があってこそと思われる。何度も推敲を入れたのかも知れない。トラボケきってのスタイリストのデビューである。 そして、練り上げられた文章、推敲を重ねた文章というのは、読後感にも大きく影響を与える。おいしい食事が、すんなりと抵抗なく胃に収まるのと同じ感触である。 テーマと文体がぴったり呼応した好例といえよう。 評者は'90年代以降、映画、ドラマ、小説などのフィクションにおいて、幽霊ものが多く見受けられるようになったと感じている。そして、わかっていてもその度にこころ動かされるものがある。 ひょっとしたら、これはこの時代共通の潜在意識なのだろうか。そしてそれは多くのものを失った現代文明に関係しているのであろうか。人類の歴史において滅びなかった文明は存在しない ・・・・・・。 17 エヌ氏の機械 midnight_egg さん ちゅうから希望<フツウに評価されつつ、なおかつほめられたい。そんな女です。 中辛は非常に難しい。そんな女子バレーを見終えたばかりの評者です。まずタイトルでにやりとさせられる。日本ショートショートの開拓者であり第一人者でもある故・星新一が頻繁に使う登場人物の名である。 冒頭からショートショートSFのパロディぽく始まり、SFファンの心をくすぐる展開になっている。そしてエンディングに向かうわけだが、評者には「その国、その時代」が全く推測出来なかった。そして作者からの回答もない。何かのパロディだったのか、それとも評者の脳が灰色に ・・・・・・。 18 愛の通勤電車 zukunashi さん インド人もビックリインドカレーが好きなんで【辛口】でお願いします。 了解!ゲイの運転手が次の駅で待つ恋人であるゲイの運転手との無線がなんらかの手違いで車両に流されそれを乗客が聞いている風景が描写されている。 この作品は、ゲイのカップルの成り行きが中心となっていて、その設定自体に強力な魅力があるので、そこにポイントを絞ったほうがより面白い作品になったかも知れない。 車掌の不在も気になる。 19 電車の思い出 nande27 さん 【普通】 お題と関係ないこと自体がボケなのであろーか。20 その時、駅で mayer-15 さん 【普通】 このオチのには驚かされる。後半の駅の情景にも迫真感がある。主人公の、「口元の緩みは隠せない」という表現とそれに続く最後の1行に作者のニヒリズムを感じさせる好作だ。21~27 へ続く
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| 2004-07-17 00:42
| トラぼけ関係
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