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サイモンとガーファンクル「早く家に帰りたい」
私の1番好きなミュージシャン、ポール・サイモンのグッとくる演奏をウエッブで見つけた。
1966年録音の“Homeward Bound”(「早く家に帰りたい」)を2002年リバプールのコンサートで歌ったものだ。

この曲はサイモンの曲でも好きな曲上位5曲に入る曲で、オリジナル録音と公式非公式に発表されているライヴヴァージョンを含め10曲以上は聴いているが、このヴァージョンが2番目にいい。
ヴォーカルの音程は不安定でギターもラフだが、心が篭っている。

ポール・サイモンは面白いミュージシャンで、同じ曲でもツアーごとにアレンジやメロディラインを変えてくるので、同じ曲を聴いても飽きない。
そして、ライヴにおけるヴォーカルの取り組み方が独特でサイモンは「その時、その瞬間の雰囲気を歌おう」としている節がある。
はっきり言えば、その時のライヴのムードや彼の感情によってヴォーカルのテンションが変わるのだ。結果、とんでもない「アタリ」ヴァージョンが出てくることがある。それを一度聴くと他のヴァージョンでは物足りなくくらいだ。
今回紹介する“Homeward Bound”は、他の曲ほどではないが、感情がこちらへ迫ってくる「アタリ」ヴァージョンだ。

ちなみにこの「その時、その瞬間の雰囲気を歌おう」というサイモンのライヴにおけるヴォーカルの取り組み方が大好きだし、それが本当のヴォーカル表現と思っている。
「レコーディングされた歌い方をなぞるだけ」な歌い方は聴いてて退屈だし、音楽的にはライヴに出かける意味がない。部屋でCDを聴けばこと足りるからだ。
しかし、サイモンほど強烈に「その時の雰囲気で歌おう」と徹底した態度を感じさせるヴォーカリストは彼以外に知らない。

私が1番と思うこの曲のヴァージョンは1971年の「Simon And Garfunkel's Greatest Hits」に収められているライヴヴァージョンだ。こちらはサイモンとガーファンクル(S&G)時代のものでもちろんガーファンクルのハーモニーが入っている。
私は高1の時にこのアルバムに出会い、“Homeward Bound”含むギター1本で演奏されるライヴ4曲に出会って「弾き語りで完璧な音楽を作ることが出来るんだ」と確信し、また魅了され、ギターを手に取り歌うようになった。

S&Gのどれか1枚、と言われれば迷わずこの「サイモン&ガーファンクル・グレイテスト・ヒッツ」を勧める。
このアルバムのクオリティだけがダントツに高い。
逆に言えばオリジナルアルバムには、これがS&Gの世界だ、と言えるものがない(不思議なことだが)。

さて、前置きが長くなったが、海外では「現代音楽の最高レベル」とさえ称されることのあるポール・サイモンの名曲の名演奏を下記のリンクからぜひお聴き下さい。




Paul Simon Web

「Best Homeward Bound August 29, 2007 at 10:40 pm」




[参考] Simon And Garfunkel's Greatest Hits
アマゾンから同タイトルのちがうアルバムが売られています。この記事で取り上げたのは上のリンクのアルバムです。このジャケットを覚えておいて下さい。数あるS&Gのベストアルバムでこれだけが郡を抜いてクオリティが高いです。解散直後に彼等自身が選曲しリミックスした曲まであります。特にライヴ演奏の4曲は他のアルバムでは聴けない、とんでもない名演です。「エミリー・エミリー」の12弦ギターの伴奏は、今後この楽器の伴奏としてはこれ以上のものはないと思える名演です。「エミリー・エミリー」試聴

# by bra-net | 2007-11-06 13:51 | 管理用 | Comments(3)