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第7回トラバでボケましょう! 参加作品寸評 3
11~20 より

第7回トラバでボケましょう!
参加順です。ネタバレ注意。
間違いあればコメント欄にてご指摘ください。



21 ある日の出来事 sivaxxxx さん やや、辛口でお願いします。

みんな中辛好きだなあ ・・・・・・ ムツカシスギマス。

これは、このような企画ならではの面白さだろう !!

mayer-15 さんのその時、駅で と全く逆の設定なのである !! しかも直後のトラックバックである !!

導入部はリアルな情景描写である。だとすると、主人公の状況の把握の仕方が不自然である。


何だ?電車が、止まっているのか。



確かに変だ。この時間なら、そろそろ僕の降りる駅に着いていなくてはいけないはずだ。


乗客が、電車が止まったかどうか判断できないということはまずあり得ないので、これは何か伏線なのかと読者を勘違いさせるかも知れない。

そして主人公が停車していることに気付くという描写もないまま、


電車が止まったことに苛立っている人達と


の一文が現れることで、作者と読者の信頼関係は損なわれる。

これは一見あげ足取りのように思われるかも知れないが、極めて大事なことである。

もし、この作者が、この次に本当の伏線を張ったとしても読者が信用しなくなるからである。

エンデイングであるが、これもトラボケ初めてと思われる、「風刺」が入る。

結局この作品は、「突発時に人は何も反応しない」 という情景を描いていて、そしてそれがこの国の姿であると風刺する。この視点は極めて貴重だと思うし、いくらつまらなくてもリアルに描けばフィクションは成立するということを示した好例といえる。



22 第7回トラバでボケましょう! 参加作品 moko2. さん 普通味でお願いします。

これは完成された作品だろう。

「すごろく」、という発想には恐れ入る。よく浮かんだものだという感嘆の念しかない。

乗客同士の会話で「すごろく電車」のシステムを説明する手腕もお見事。

読後間もほのぼのとしており、いい感じだ。


あの~。電車に「エンジン」はありません。あと、タイトルは一考を。




23 列車事故 earll73 さん ★☆ 企画者、第3回王者 ☆★ 【普通】 

文章が優れている。余分なものがないし、言い足りないこともない。すんなりとプロットが頭に入ってくる。目立たないことかも知れないが、いや逆に目立たないからこそスゴイのだ。

この文章と、ストーリィの停滞がない、という作者のストーリィテイリングの技術で、驚愕の結末まで一気に持って行かれる。エンデイングに評者は鳥肌が立った。

不朽の名作短編、アンブロ-ズ・グイネット・ビア-ス「アウル・クリ-ク橋の出来事」 を彷彿させる人類永遠の恐怖だ。

同じ状況をテーマにした、radio6969 さんの16 「ヘッドライト・テールライト」 との対比も面白い。



24 挑戦 nobu-si さん 懺悔の意味も込めて、辛口でお願いします(--;

どーやら反省しているよーだ。

氏も寝たであるよーだ。

アナウンスするひとって、誰だろう?

車掌とは?

ショートショートにすれば筒井康隆の報復絶倒の氏も寝た名作「欠陥バスの突撃」を彷彿とさせる作品が出来たかもしれない。

フォントの大きさを駆使したオチの場合、その「見栄え」が作品の価値、もしくは爆笑を誘うかどうかを左右すると思われる。この作品の場合以下のようにしてはどーだろうか(PC環境によるムツかしい面もあるが)。



三こすり半って、早すぎ !!


by 愛の特急列車



感嘆符が半角になり、感嘆符の前、「by」のあとに半角スペースが入っていることに注目されたい。

フォントカラーを駆使すれば以下になる。



三こすり半って、早すぎ !!


by 愛の特急列車



評者曰く。



一発芸は、


一字一句が大切のこと。






25 電車が動き出すのを待ってみる poff0516 さん ★☆ 第4回王者 ☆★ 1辛程度でお願い致します。

1辛 ・・・・・・・ 1カラット ・・・・・・・ 暑い ・・・・・・・。

縦読み ・・・・・・ 作者のコメント読むまで気付きませんでした _| ̄|○ ↓

それを考慮に入れれば登場人物の饒舌、話題の飛び具合、改行も納得出来る。

車内の雰囲気が和んでくる様子が自然に描かれている。作者の人柄が伺え、微笑ましい。

縦読みの隠し文字に頼らず、独立して、意外なエンデイングのヒントを読者に与えても良かったかも知れない。



26 一体どんな話なんだ!! chima_s さん 審査委員長さま、「激辛」批評でいっちゃってください。……泣くかもしれませんけど。

そんなこと言われると激甘にして泣かしたりして ( ´艸`)ムププ

静粛な雰囲気から始まりSFの様相を示し、最後はナンセンスというか宣伝というか、よーするにポケモンで終わる評者泣かせの作品であるが文章の旨さが光る。

今大会初の倒置法も効果的に使われている。


時間が止まったようなハイテクシティに、
取り残されてしまう。
子供達だけが。




27 季節はずれなネタですみません as-o2 さん ……自省こめて[辛口]コースでお願いします。

了解 !

本作品で27トラックバック。「第7回トラバでボケましょう!」 の最後の作品である。

お見事。最後を飾るに相応しい作品である。発想がスゴイ。文章も会話も自然であるし、今大回初ともいえる詳細な人物描写が入った。


車掌の地味な制服は、色白の肌をきわだたせた。長い髪を腰まで垂らした、美貌の女車掌。


この描写で作品の立体感が増している。また、参加作品中、車掌が重要な位置を占めたのも初めて。

贅沢を言えば、雪女である車掌に感情移入をさせて欲しかった。通俗とすれすれになるかも知れず難しいだろうが、雪女の最後の言葉をもっと長く、切ないものにしてもよかったかも知れない。

運転手の雪女に対する感情が全く書かれていないのも残念だ。

このショートショートは切ない余韻に持っていく方向しか評者は浮かばないが、そのさい、運転手の態度が曖昧だと、只の意外な結末になってしまい、もったいない。

作者は、ボケる、ということに気を遣ったのだろうか。

あと一歩で結末に、意外性と悲劇性というダブルミーニングを持たせることが出来たことは残念だが、夏真っ盛りの今大会の最後にこれ以上は考えられないエンディングである。as-o2 さん、ありがとう !!



審査対象外
通勤電車の怪 midnight_egg さん
こそっとトラバm(_"_)m as-o2 さん





























運転手 「止めたよ」

車掌   「うん」

運転手 「降りようか」

車掌   「うん。ご苦労さん」

運転手 「はは、こちらこそ」

車掌   「長かったよな」

運転手 「長かった」

車掌   「辛いときもあったが、ここまで来てよかったと思うよ」

運転手 「おれもだ」

車掌   「冷房はつけとくよ」

運転手 「ああ、そのほうがいい。トンネルの中といっても暑いからな。
      お客が可愛そうだ」

車掌   「おれたち、これからどこへ行こう」

運転手 「そうだな。考えていなかったな」

車掌   「うん」

運転手 「とりあえず、トンネルの中を歩いてみたいな」

車掌   「そうだな。涼しそうだしな」

運転手 「じゃあ、ここでお別れだ。おれは前へ行く」

車掌   「おれは後ろだ」

運転手 「じゃあな」

車掌   「じゃあ」



トンネル内で暫し停車した電車は何事も無かったかのように発車する。

乗客も信号待ちと思い気にも止めない。

運転席を覗いていた子供が運転手の顔をじっと凝視していることに気付くものもいない。








by bra-net | 2004-07-18 10:40 | トラぼけ関係 | Comments(2)
Commented by moko2. at 2004-07-19 11:47
すべての寸評お疲れ様でした。
電車はエンジンじゃなかったんですね~~(恥)
タイトルを考えるまで頭がまわってませんでした。
みなさんの作品もレベルの高いものばかりで私も読んで回って楽しませてもらいました。
Commented by chima_s at 2004-07-20 00:01
優しい評、ありがとうございました。
本当に、評者泣かせでごめんなさい。
審査がbra-netさんなので、ポケモンネタはきついよなあ、
ということは重々承知だったのですが、
なにしろ「映画公開日」だったので、お許し下さい。
大変お疲れ様でした!
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